"A380plus" 発表

パリ航空ショーが始まりました。
民間機から軍用機まで、また機体メーカーはもちろん、部品メーカーまで様々な航空関連の企業が出展しています。

時折ニュースに出る三菱航空機のMRJも出展。アメリカからちゃんとANAカラーの実機を持ち込んでのアピールです。さすがに度重なる延期で、今回の航空ショーでの受注は見込めないという明るくないニュースもありますが、現段階では遅れることなくヨーロッパまで持ち込めただけ上出来でしょう。
あいにく地上展示のみで飛行展示はないそうですが、ライバルであるブラジルのエンブラエル社が出すE2ジェットも地上展示のみだそうですから、さしたる見劣りはしないのかもしれません。

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<Mitsubishi MRJ 初号機>


そしてヨーロッパの航空機メーカー「エアバス」が出展したのは、世界最大の旅客機A380-800。どうやらここへ来て「A380plus」なる新たな機能向上を図るようです。

外見から目立つのは主翼の端に装着されるウイングレット。
今までA380にはA320シリーズの初期型のような、矢じりの形をしたウイングチップが取り付けられていました(もちろん大きさはA320とは段違いです)。
今回提案されたのは、B737MAXのATウイングレットのような形のもの。上方向に3.5m、下方向に1.2mの巨大なウイングレットで、最大4%の燃費低減を実現できるとしています。

4月には横11列というA380の太い胴体を生かしたエコノミークラスの形が提案されていますが、それを取り入れればさらに80席の座席を増やすことができるのだとか。

これらのオプションに加えて、最大離陸重量(荷物+燃料を積んだ、離陸が許される重量)を18t増加させて578tにすれば、80席増えても現在の航続距離(8,200nm=約15,200km)を維持、もしくは座席数そのままで300nm=約555kmの航続距離延長が可能。

・新型の大きなウイングレット
・客室の改良(というか詰め込み)
を行えば、従来のA380に比べて13%の経済性向上が見込まれるということです。

最大のA380ユーザーであるUAEのエミレーツからは、A320・A330シリーズのような次世代エンジンの採用も求められているようですが(A380neo)、今後の超大型機の市場を考えると苦しいでしょうね。
それを考慮に入れた、A380plusの設定なのでしょう。

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<UAE・エミレーツ航空のA380-800>


…しかし、4月に発表されたエコノミークラスの横11列配置。
実際に乗ってみると、確かに現行の3-4-3の10アブレスト配置は余裕があるんです。窓側席に座ると「窓まで遠いな」って思うぐらい。ですから3-5-3の11アブレストは問題なく入るのは間違いありません。

でも、乗客の立場からすれば、5列席の真ん中なんて悲惨ですよねぇ。
右を見ても左を見ても通路が遠い。トイレに立とうにも、エコノミーならどちらか2人とも立ってもらわなきゃいけません。

これが3時間ぐらいの短いフライトならまだいいですが、3時間程度のフライトじゃもったいなくてA380なんて飛ばしません。少し前にエミレーツがドバイ~ドーハ間という1時間にも満たない路線にA380を入れて話題になりましたが、あれはあくまでイベントです。
そうなってくると、6時間とか8時間とか、下手したら10時間を超えるフライトで5列席の真ん中なんて、私なら耐えられません。

航空会社としては輸送効率化のよい手段となりますが、乗客としては最も座りたくない席の1つになりそうです。イヤならビジネスクラス以上を選べってことなんでしょうけどね。

航空界の異端児エミレーツなんかは真っ先にこのオプションを入れて、ドバイ発着のヨーロッパ便に入れそうな感じがします。
航空業界は日々進歩していますが、ますますビジネスとエコノミーの格差は開いていきます。ビジネスクラスに乗れるような立場になってみたい…
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あさかぜみずほ

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このホームページを作っている都内某所の駅員。撮り鉄をやっていたものの、就職後に航空機スポッターへ転向しました。

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ここには飛行機や鉄道の写真はほとんど掲載いたしませんので、ご覧になりたい方は上記のホームページからお探しください。

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